カテゴリ:駄句雑句散歩道( 57 )
台風や 駄句と想いと 残し去り<10.7>
不思議なものである。
長らく忘れていた「駄句雑句」が息を吹き返すのが、野分・ノワキの過ぎた後である。
清少納言は、貴族である。畑とは無関係ではあろうが、生活の空間にはギッシリト、畑空間や山水庭が広がっていたのではないか。
だから、ノワキを考えたのではないのだろうか?
今年も野分きが来た。 温暖化の結果であろうか?
それにしても多くの台風が去来したものだ。
大陸の西方にも何個かが向かい、奥地に消えていったし、朝鮮半島へも、そしてわが列島へも、思い出せない位に多くが通り過ぎて行った。
瀬戸内の「晴れの国」から、近畿地方が台風銀座となり、関西空港が水没してしまった程だ。
幸いにして、我福岡は台風禍から逃れて今日に至っている。
しかし、ここに来て台風25号の様子は、逃れられない様な様子である。
家と庭は、頑丈に作ったので、全く台風の心配もなく、準備も不要であり、雨戸を閉めるだけで完全である。
畑だけが台風の心配事である。
今年は既に冬野菜・カツオナ、大根、スティック、白菜、グリンボール、ニンニク等が順調に生育を始めている。
これ等を台風禍から護るための対策は、並大抵ではない。
ビニールトンネルは雨防止用、その外は防風ネット
d0001763_10095477.jpgd0001763_10094165.jpg今年も2-3日を掛けての大仕事となった。

    2018.10.6台風対策完了  ←  クリック

幸いにして、台風は当初予想より北へズレて過ぎ去り、朝鮮半島南端を通過して遠ざかった。
但し、予報で再三「大型台風」と報じていたがその通りで、過ぎ去った後の風が長時間吹き続けて、畑の作物が心配になった。
7日午前中、畑の観察に向かうべく外へ出たが、強風に危険を感じて、取り止めにした程であった。
結局、7日夕刻になってからの、台風結果の観察となった。

   2018.10.7台風通過後の菜園全景  ←  クリック

   風防備 空振り嬉し お神酒あげ

   浸みわたる 野分さりての お神酒かな

毎年繰り返すこの行事、百姓見習いの身にとっても、喜びと悲しみと、成功と失敗と、シッカリト身に染みる秋の定番劇となってきた。
今年は、これで最終幕となって欲しいものである。

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by tenpai8 | 2018-10-07 18:40 | 駄句雑句散歩道 | Comments(2)
2016駄句雑句散歩道<2017.2.5>
何故か、駄句雑句も長くご無沙汰したようだ。
歩きと畑に心が向き過ぎて、花と雑句から離れがちだったのかも知れない。
とは、今気付いた。
去年の初夏からメモ帳に眠っていた雑句に目覚めのハッパを掛けて見ようか。
宝満山から南に向かって流れる宝満川両岸には、長く広く広がる水田が一直線状に展開している。
直線で4kmもありそうな水田には、小麦、ビール麦の乾田が延々と広がる
今時、珍しい昔サナガラノ田園麦秋風景である。
畦には何処にも彼岸花が植えられていて、彼岸花も見事であり、年に2回訪れる心の故郷である。

宝満の ふもと麦秋 豊かなり    2016.5.24

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何の花 風が答えて 栗の花

ミソハギや 薄紅しずか 夏すずし  2016.7.24

かのこ百合 やさしき影に 炎暑消え  2016.8.6


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花も枯れ 炎天焼ける 庭のかど    2016.8.6

無駄骨も うれしや野分 遠く去り   2016.9.5

台風ほどにイヤなものはない。
園芸家の共通心情であろう。 畑の防風ネット、庭の果樹のロープ掛け。
台風到着まで、天気予報に踊らされ、年間の最多忙時間である。
暗くなるまで心を尽くして、いよいよ作業終了。
アトは天命を待つダケ!
翌早朝、畑も庭の果物も、平然と無傷の台風通過。
後片付けも、空しい無駄骨感と 嬉しさイッパイと 複雑なオカシナキモチ!
お陰で田圃では、頭を垂れた大豊作の水田が、黄金の穂波を打っている。

野分ゆき 黄金の穂波 凪ぎわたり   2016.9.5

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宝満を 仰ぎまほろば 秋盛る 
2016.10.12 
   
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モズ高音 柿のこずえに 風すこし   2016.10.12

我が菜園周りの水田は、除草剤、農薬制限栽培稲作である。
お陰で蛙やヘビも元気で生存している。
当然、蛙を食べるモズは元気で頑張って、声も高々と響きわたっいる

野路菊や こがね懸崖 のどかなり   2016,11.13
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野路小菊 ハチの羽音に 揺れ少し  2016.11.13

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by tenpai8 | 2017-02-05 12:30 | 駄句雑句散歩道 | Comments(2)
熱燗や 舌ほろにがし フキのとう
忘れ雪に大寒波。
光溢れる初春に毎年訪れる季節の節目である。
低温続く毎日ではあるが、自然界は 日に日に長まる日照時間を しっかりととらえて、春をかたち作っている。
山路散歩にも、今年も忘れかけていた季節の土産・第一号がひそかに顔を出していた。
イノシシの被害で、すっかりヒックリ返された野生のフキは、今年はダメだろうと観念していたが、ウオークの一休みに覗いてみると、数株から立派な瑞々しいトウが育っていた。
今年第一号の「山のお土産」である。
このフキも20-30年間の親友である。
懐かしい親友との思い出も 山ほどに演出してきた早春の定番事である。
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      フキのとう  思い出あわく  ほろにがし
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      熱燗や  舌ほろにがし フキのとう
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by tenpai8 | 2016-02-24 14:30 | 駄句雑句散歩道 | Comments(2)
2014駄句雑句散歩道2<夏から暮へ>2015.1.1
          
人間80歳の声を聞き始めると色々と予想外のこと共が突然身辺に発生するものである。
忘年会に出席した時のこと、受付を済まして会場へ進む、我が席は? と探すが見当たらない。案内の役氏の案内の方向を見てビックリ仰天。彼の最前列中央の円卓が指定席になっているのだ。
遂にココまで来たか!
人の世は、トコロテン式押出しによって、人を過去へと押し出してゆくのだ。
よくよく思ってみるに、自分の記憶にある80歳の人々は、例外なく皆「人生終末期の老人」だったのである。「自分一人が例外」等であり得るハズがないのだ
ところが、分っているとは言っているが、自分のことは棚に上げてヨソミをしてきたようだとは、80歳・傘寿を迎える今年新年の年頭所感なのである。
 さて、相変わらず旧年も保健のため「日本一周バーチャルWalking」楽しんできた。 お蔭で病気らしい病気も皆無の内に新年を迎えることが出来てホットしている。今年も又年中定番慣例に習って、一年を終わって、山路散歩メモに目を通してみることとしよう。
相変わらずの駄句雑句オンパレードである。恥を忍んで今年もツラノカワを二重にすることとした。
 さて、我が菜園の東側は、広さ三反もありそうな広い一枚水田が広がっている。その向うには小川が流れ、小学校があり、桜に囲まれている。
宝満山は高く聳え立ち、四季の一帯と菜園を不動の姿勢で見下ろしている。
今年も田植が始まる頃、水田のシロカキが済み、田植は半日で完了する。一面に細い早苗が水面に浮かび立っている。水が満杯に張られて水田一面が水鏡に変身、宝満山の雄姿を田圃全面に浮かべている。
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 早苗田に 浮ぶ宝満 碧く澄み   7.20         

久住高原の合宿は高原の散歩が楽しみである。今年はカッコーの声が響き渡り、黒雌和牛達が悠然と遊び 北海道の初夏の様に爽やかであった。
 



 郭公の 声しみわたり あそぶ牛

9月といえば最大の敵・台風である。風の中博多に向かう車の中から、珍しい情景に遭遇した。音を立てて荒ぶ風の中、大車道の上にトンボが風に向かって流されずに飛んでいるのだ。

   
台風の  風に流れず とんぼ舞い  9.17

9月は、待ちに待った嬉しい季節であ。生命力を回復した自然が元気に活躍し始めるのだ。
今年は何故か百舌の初音が相当に早かったようだ。畑近くから声だけが聞こえて姿は見えない。小雨煙る朝の初音は低くて重かった。

  もず初音 小雨煙りて 声低し     9.22 d0001763_1120020.jpg

秋も深まる11月、青空に直立する柿の木枝の梢からは、高らかに元気な百舌の声が響き渡っている。

百舌高音 今日も元気と とおる空   

畑の畦には9月の声と共に、軽やかなコオロギの声が転がり始める。今年もコオロギは元気だ。
何処で鳴いているのだろうか?  四方八方足元を探すが、同じ声があちこちに移り変わり、耳も目も回りはじめるのだ。 毎年同じことを繰り返して、モハヤ80年になりそうだ。

こおろぎや 啼くはいずこと 回る耳  9/20

山路散歩は杣の小路、即ち林道である。岩肌の傾斜崖は植林が無く、篠栗の木が根元から切られて幾本の幹が育ち、灌木ではあるが小枝にまで隙間なしにイガイガ実を着けている。

笹栗や 枝先せまし 垂れる杣     9/21        d0001763_10563624.jpg

園芸愛好者にとっては、台風が最大の敵である。 施設の無い畑の野菜や、庭の果樹は全く無防備と言得る程である。  本格的な台風が来れば、逸れることを祈り去りゆくのを待つだけである。
幸いコースが逸れたり、弱まった時、全力傾注で夜まで掛かり作った防御の対策が、無駄骨となる。これ程無駄骨が嬉しいことは、他に無いのではないか。

無駄骨を 祝いよろこび 野分過ぎ  9.15

紅葉名所の紅葉狩りもそろそろ過ぎる頃、我が家甘柿の頑丈で濃緑の葉が、一朝冷露を被る毎に不思議な紅葉を始める。4-5日経つ頃には、西日を透して豪華な紅葉の虹が展開する。毎年、柿の葉に冷混ぜ飯を盛って、目と口で秋を味わうのが定番、下々の細やかな雅趣となっている。

柿もみじ 小春日庭に 虹をかけ
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この頃になると季節風に乗って、大陸からメジロが渡ってきて、二羽がツガイを組んで、餌場に定着して一冬の定住場所にする。今年も早々と2羽がやってきた。餌を置いた熟柿籠に居座っているが、小春日和に照らされて、童話の青い鳥になって眠っているようだ。

 小春日に 溶けてメジロや 青い鳥   12.19  d0001763_1112029.jpg

             
干し柿の皮むきが趣味のせいか、毎年この時期になると、八百屋から熊本産の渋柿を買ってきて、出来立てのコタツで得意の皮むきが始まり、あっという間に百個位が出来上がり、柿の葉紅葉の下で干柿に変身する。
越年のオセチには焼酎一杯の肴には、この干し柿の味が不可欠定番となって幾年目だろうか?

つるし柿 齧りてふくむ お屠蘇かな  2015.1.2
大宰府走ろう会でレースを完全に遠ざかってから、もう15年以上にもなるだろうか。マラソンレースは卒業しても、人生のレースゴール設計は人生最後の責任として確実に実行しなければならない。
という目的で、ランに変わってウォークをシッカリと実行することとした。4年前からパソコンのニッホン一周ウォークに挑戦して、現在も月間120-130kmを確実に歩いている。
その余録が駄句雑句なのである。走ろう会諸氏には永く御つき合い頂き感謝感謝です。
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by tenpai8 | 2015-01-01 11:11 | 駄句雑句散歩道 | Comments(2)
2014 駄句雑句散歩道  <2014春から初夏へ 7.5>
<この記事は大宰府走ろう会創立30周年記念会誌「飛び梅ランナーズ第51号」への寄稿記事です>

 人生、毎日美味しい晩酌を楽しみ続けて行くという夢を追究しつつ、ここに数えて80歳まで順調に辿り続けてくることが出来た。嬉しい限りであるが、マダマダこの先もこれまで以上に楽しまなければと、そんな強欲を持ち続けている。
 但し、飲むだけでは絶対に体の方がもたない。飲み分を発散して体に残留させない。と思って30歳の頃から始めたのがジョギングだ。
太宰府に落着く好運に恵まれて、「太宰府走ろう会」に入会し、以前には想像も出来なかった長距離レースに数え切れない程に度々参加して完走し続けた。
60才で軽度の心臓障害になり、走ることは止めることとして、山道の散歩を専らとしている。
毎日ただ歩くだけでは楽しみがない。四季に変化する自然を楽しむために、 デジカメを片手にして、ポケットにはメモ用紙1枚、・・・・・これで結構楽しめるものである。
メモ用紙には、時折思いつきの駄句を一ひねり、 こんな具合で始めたのが
「駄句雑句散歩道」であったが、初作は昭和64年4月であったので、平成年号と同じく既に26年を数えることになる
お蔭様で山道での一人散歩も楽しく、一生の楽しみとして生活の不可欠要素となってきた。
 この散歩も、更に発展できたのは3年半前、平成23年正月であった。
パソコンの「バァーチャル日本一周ウォーク」という「仮想日本周遊ウォーク」に参加したことであった。現在、既に北海道を一周して津軽海峡を渡り切り、下北半島の陸奥に向かって歩いている。全行程8955kmのほぼ半分、4190kを歩いている。d0001763_9475877.jpg
  さて今年も、まだまだ寒い中、春の躍動は初燕の来訪で始まる。
近くのスーパー界隈には来客の多い店が集中している。ツバメもカラスとスズメという天敵から逃れて、人密度の濃い場所・スーパー界隈の店舗の出入口に巣を作るという、現代日本社会への適応習性を確立してきたようだ。
まだまだ早春寒冷の中、初燕達もスーパー前の道路を、車の屋根スレスレに元気に飛交い、車と速さを競っている。

    初つばめ  車ときそい  矢のごとし d0001763_9393195.jpg

 天満宮もこの歳は、奉祝1250年の年を迎え、加えて国博の盛況も加勢して、大陸やアジアからの客も大勢になり、参拝客も押すな押すなの千客万来である。
飛び梅もまだ一二輪であるが、1250年の歴史の香りを仄かに漂わせている。


    歴史より  香り聞こえて  梅二輪



 今年はウグイスの数が少ないようだ。毎年山路では今頃には初音が聞こえるのであるが、今日、ようやく初音を聞くことが出来た。
まだまだ喉もアブラがのらずウグイスには程遠いホーホケだ。

 
      うぐいすや  初音 恥ずかし  声千切れ

   今年も花は大分早く咲いたが、楽しい花見も十二分に楽しむことが出来、よい春であった。
街では花見も終った頃、山路の谷川の脇では、ヤマザクラが控え目に薄紅色の花弁をつけ、若葉の溶ける様な紅色も奥山ならではの静寂の美である。
下を流れる渓流では、流木の小枝が花びらを堰き止めて、花弁の橋を作り、澄み切った渓流に静かに洗われている。    

    
    渓流に  かかる小枝や  花の橋  d0001763_9415713.jpg      

    わかば春  薄紅しずか  やまざくら


    

 花が名残を残して里から山へ去りゆき、山にも山桜を最後にして、季節は急速に動き出し、自然界は活力が漲ってくる。アケビの蔓も絡む木の枝がないので、若芽蔓が束になって絡み合い天に向かって伸びる様は、ジャックと豆の木、さながらである。

     あけび萌え  芽に芽寄り添い  向かう天








初夏を迎える山路は楽しい自然がイッパイである。
毎年毎年30年間も この楽しみの繰り返しを、飽きることなく楽しんでいる。何故飽きないのであろうか?
それは、未だ入学前の幼い頃の想い出までにも直に繋がっているからである。
故郷の裏山裾の畑道には、沢山のクサイチゴが土手一杯に実っていた。戦争中のこと、子供の最高のご馳走であった。今もこの味が忘れられず、毎年、山路散歩でこの味を満喫している。

    今年また  野いちご食みて  杣の道 d0001763_944994.jpg

    おさな夢  味もほのかに  くさイチゴ  

 今年も又6月近くになって、忙しく山を駆け回るホトトギスの声が、散歩する歩調迄をも狂わしそうな季節となってきた。 
もう、今年も又、梅雨も近いなー              

     空駆けて  何故にあわてて  ほととぎす 

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by tenpai8 | 2014-07-05 14:00 | 駄句雑句散歩道 | Comments(2)
花の香に<2013.5.18>
     山路散歩の歌      2013.5.19   
花も過ぎ 
日差しも日増しに 初夏の色、
山路散歩も 日毎に移る
花が主役の舞台道。
皐月を明日に 山路を訪ね、
花の笑顔に 緩む頬、
葉陰の奥に 目を向けて、
探し当てるは 初顔の 
清々しきかな 花の影。

今日は日照りも午後から緩み、久し振りにノンビリと山路散歩を楽しんだ。山路散歩のアルバムの説明文を書いていたら、不思議と出てくる七五調。途中で止めるも勿体無くて、そのまま作る駄文章。作り終わって、ワードにコピー、少し手を入れカーチャンに自慢をしたら珍しい、大喝采を頂いて、Blogに転写することに。
たまたま今日の散歩では、駄句雑句の種が一杯で、久し振りに駄句雑句の即興楽しむことまでに。

  アザミ花 愛でて歌いて 気も晴れて

  ホトトギス 初音天裂き 森も裂き d0001763_7155939.jpg

  花が枝 枝が花かと エゴに問い

  沢かにの 戻りてながれ 音軽し
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by tenpai8 | 2013-05-18 15:30 | 駄句雑句散歩道 | Comments(2)
2012夏から秋へ<2013.1.4>
              駄句雑句散歩道                             
                                                                                                 

大宰府走ろう会の「酒盛り」の席で、おだて上手の何某のオダテに乗ってしまい始めたこの駄句雑句散歩道、恥をカキカキ年数は二桁になりそうだ。一句に季語が二つまでは、不勉強門外漢として許されそうであるが、最近、齢80に近くなると、ソンナコトも全く気に掛からなくなってきつつある。これが老境であろうか? いよいよ人生もゴールが近くなってきたようである。
ゴールといえば、菜の花マラソンで「フル初完走ゴール・4時間40分」の感激は今も活き活きと胸に蘇ってくる。この胸の高まる鼓動にアルコールを注ぎ、今年も元気で人生娑婆のゴールのテープを払い除け、白寿へ突進すべく気概を込めたいものである。

   ねじばなに  誘われ散歩  伸びる道   7.7 

今年の夏は猛暑が続き、雷も景気よく太鼓を叩いてくれた。近くの落雷は危険であるが、その向こうの雷は色々の情趣を掻き立ててくれる。一度ピカリと光れば、ひと時おいて第一声が元気よくドドーン、続いてカリカリ、向の山の上でゴロゴロ。三段四段と天空の土俵を念入りにグルリと一巡り、念の入ったパーフォーマンスではないか。

    かみなりや  天空土俵  ひとめぐり    7.13

葉月も下旬になると朝夕には、秋の気配が濃くなってくる。早朝散歩の棚田では、あぜ道に生い茂る雑草には、尖った葉先に露の球が下がり、細い葉先をしのらせている。コオロギのコロコロ軽やかな転げる鳴き声が、快く転がって止まない。日中はまだ猛暑だが、早朝の畦道は秋が色濃くなっている。

   あぜ道や  コオロギ転げ  おどる    8.29  
                              

山路を散歩中に予期せず、珍しい植物の大群落を発見した。「オカトラノオ」である。
こんな所に、マサカと思って踏込んで見ると、マサカが現実であった。ここは植林杉の老木林であったが、一昨年伐採され、一時は菜園を試みていたが、案の定、半年でギブアップ、今は、日本本来の野生灌木が発芽して、もう1~2mにも育っている。その彼方の土手が一面白く花で覆われている。高さは1m余りだ。やはり「オカトラノオ」の群落である。


伐採以前は杉の大木林であったのに、何故ここに この植物が生存していたのか?
自然界は全てが不思議の世界である。
花は 何千本の穂が、皆揃って同じ方向を向いて、あたかも風になびく鯉のぼりのようだ。
                       

   トラノオや  みんなそろって  風見鶏     6.30   

大宰府に住み着いてから三十余年、以来通い続ける散歩の山道。毎年時期になると笹栗が実り、散歩する足元に艶々光って転げてくる。何故か見過すことができない。拾い上げてはポケットにポトリと落とし込むのだ。今年で何年目になるのであろうか?
                  

   笹栗を  拾い今年も  数う年        10.7           

日常接する自然界も不思議なことがイッパイである。我が庭には富有柿が大きく成長して、毎年よく実を着けている。不思議なことに、この甘柿の葉は実が熟する頃になると、葉も紅く紅葉し、落葉は見事な色模様となり、食事時の天然極彩色食器に変身する。時あたかも新米の季節である。

   柿の葉に  新米盛りて  月見かな
  
   
   柿もみじ  入日に溶けて  空あかね     11.9
                            

一日一日と日は短くなり日差しも薄く、夏の日には照り返っていた竹垣根のツワブキも、今は終日 日照もなく、暗い寂しい片隅になっている。
何時から咲いたのであろうか? ツワブキが数本トウを伸ばして、一際明るく黄色の素朴な花を開き、暗くなった片隅にパット明るい光を放っている。暗い庭が突然光り輝いてきた。

   陰くらし  ツワブキ咲いて  照り返り        11.15

   静かなり  山ももみじも  ダムにとけ









今年の冬は近年希な厳寒の冬だ。正月も毎日小雪交じりの日や薄積雪が続いている。
でも、心中はどことなく嬉しい暖かい冬でもあるようだ。

   お年玉  孫よりもらい  想う齢       1.2

庭に作った小鳥の餌場には、毎日小雪の舞う中をメジロとウグイスが 夫々つがいで居ついている。ウグイスの初音は何時になるのであろうか?待ち遠しい正月である。
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by tenpai8 | 2013-01-04 11:30 | 駄句雑句散歩道 | Comments(2)
駄句雑句散歩道<2012.6月まで>
走ろう会との交友歴も何時の間にか長くなったものだ。大分以前のこと、山男の「久地浦氏」が幅広い見事な活躍を誇っていた。15-6年以前の事であっただろうか?彼が久住山の山神から頂いて来た「久住サクラソウ」を1株譲受たものが、益々元気に育ち、可憐な花で春を盛り上げてくれる。慎ましやかな小花は360度丸く並び小花も一つ一つが絵日傘、全体の花輪も絵日傘を作り、童謡の世界を清く歌い上げてくれる。

花びらの 絵日傘すずし さくらそう        4/10d0001763_8551698.jpg

桜も終わったが未だ朝晩は相当に冷え込む。畑おこしを始めた。野菜の葉が動いている。よくよく見ると、冬眠から醒めたばかりの雨蛙が、痩せ細ってモソモソと動いている。よく見ると長い冬眠で体力を消耗して、眼も窪んでいる

d0001763_9484046.jpg冬眠の 覚めし蛙や 目もくぼみ          4/12



春到来。大自然では植物達が、空に向かって爆発的なエネルギーを一斉に発散し出した。空に向かう野心の原動力は一体何であろうか?


春の芽の 野心いっぱい 向かう空         4/10

自然界は全てが新緑に占領され尽くしている。余りの暑さに、今年初めての半袖に腕を通したが、春の風に半袖は忽ち緑に染まった。

半袖を 緑そめるか 若葉風              4/15

この季節の山路散歩は爽快、愉快で心も弾む。山路の両側では「クサイチゴ」の実も真赤に熟している。花も未だ点々と残っている。

今年また 野いちご口に 山路かな         5/25  d0001763_8572460.jpg  

我家の庭は柑橘類の果樹園モドキである。晩白柚には花房が数百房成り、各房には十個もの花が着いている。夏蜜柑は毎年120個位完熟する。キズ柑や雑柑等が一斉に開花して、いっぱいの芳香を流している。クマンバチや大小色々の蜜蜂が羽音を響かせている。

d0001763_950429.jpg香りたち みかんの庭は 蜂羽音 5/14

桜が過ぎたと季節を感じていたが、早くも新緑も去り、山々の緑も深くなってきた。田植えも近くなった田圃では水が張られ、代カキの耕運機が泥しぶきをあげている。畦道では懐かしい「ナワシロイチゴ」が、短いカズラに赤い実を稔らせている。


苗代の イチゴの種や 太かりき            6/5




代かき前、水の張られた迫田は、一面の大鏡となって、周囲の家々や峰峰を逆さに映し、不思議な光景を作り上げている。

d0001763_9172440.jpg田代かき 鏡にしずか 逆さ村        6/10


6月も近付いて、山郷も山路も時折ジメジメした天気が訪れる。この時に、毎年必ず100%の湿気を含んだ香り・・・・が、緑の里をスッポリと覆う。何の香りだろうか? 大分 生臭なーー と辺りを見回せば、ヤハリ「栗の花」だった。

何の花 風が答えて 栗の花              6/15


今年も散歩の道端に「茅の穂」が、綿毛を白く風に揺らしている。この光景をみると、思い出すのは「ホタル」である。この白い穂を束にして、竿の先にセットして、ホタル採りの道具にしていた。熊本・泗水の合志川。ホタル狩りの幼い日の思い出である。
今年も近くの「牛頚ダム」に、ホタル見物に出掛けた。昔ながらのホタル光景である。

つゆ草に 濡れる蛍の 恋あかり             6/1d0001763_9515039.jpg



今年の梅雨前は、5月から少雨が続き、カラカラの季節であった。6月になってようやく梅雨模様の日が訪れた。毎年この季節になると、散歩の山路には、ネムの花がほのかに薄紅の綿花を着けて枝枝を飾り、柔らかく穏やかで平和な世界を醸してくれる。

枝枝に 紅の綿帽  ネム眠し             6/20
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by tenpai8 | 2012-06-30 14:30 | 駄句雑句散歩道 | Comments(0)
駄句雑句散歩道<2011.12月まで>
                             
都会の自然は年毎に温暖化の一途である。我住む町のセミの声も10年前とは様変わりである。
昔は梅雨半ばに ニイニイのか細い声から始まり、ガラガラ、続いて喧しいワシワシ、最後に二学期の始まる前には、ツクツクが「宿題シターカ」と鳴き出していた。
昨今の福岡市天神街路樹のワシワシ、ガラガラ蝉の狂様は、誠に以って困った有様だ。
 だが、我庭から1キロ離れたダムを過ぎ、山路に入ると昔ながらのセミの世界が展開している。街では殆ど声が途絶えたニイニイが絶世のセミシグレであり、これに続いてヒグラシが林間を震わせる。8月に入る頃にはツクツクの全盛となり、山路のセミの世界も終息し来年まで地下の無声の世界に眠ることとなる。

山、林、谷、夕暮れ近く山路に西日が僅かに漏れる頃、山路ではヒグラシの声があたりの全てを吸収している。夕日もいよいよ落ちて、一帯は俄に夕暮れの気配が。この一瞬、ヒグラシの声も突如として沈み、山路の一日が終わるのである。

ヒグラシや  夕日ときそい  沈みけり   7.26  d0001763_11324563.jpg

フウランの 揺れる窓辺や 小さき秋

山路の西側の土手高く野萩が咲き乱れ、花粒は枝を垂れ曲げ色鮮やかにこぼれている。こぼれる花は夕空を茜空に染め上げている。

萩粒や  融けて西空  茜染め      9.30

毎年秋になると何故か干柿の皮剥きがしたくなる。終戦後の食糧難の頃、よくよくこの仕事をしたものだ。今だに この習慣が蘇ってくる。干柿を干す柿の陰も柿の色も、日一日とツルベ落しに色濃くなって、冬の気配が迫ってくる。

 干柿や 日毎に影の 濃く落ちて       11.30  
                              
山路を切れ間なく咲き飾ってきた野の花も、流石に11月にもなれば後が続かないようだ。咲いては賑わせた野の花達も、今は実を結び命を繋ぐことに懸命で、色を着けて小鳥を誘ったり、甘い味を着けたり思い思いに智慧を絞っている。


 野の花の 稔りて熟れて 霜の月       12.11d0001763_1137227.jpg



今年は近年希な年でカメムシの発生が少なく、庭の甘柿が大豊作で3-400個も収穫できた。
余りの美味しさに、残り少なくなった珠玉に伸ばす手は躊躇いがちである。

名残りおし 最後の柿に 手や伸びず     12.12
                         

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茜ゆき   沈む紅葉に  点く灯り     12.23

   

今年の越年は厳寒に震えた。山路の奥・峠には残雪が消えず、山路脇には沢芹の若芽が元気で、葉の色にも生命力が漲っている。

残雪を  宿し若芹  光るあお         1.3

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この年は年末に来て、予想できない悲しい別れが飛来した。長年地元のマラソン同好会に席を置き汗を共にしてきた親友が、アレアレという間に彼岸へ旅立ってしまった。
人格温厚、誠実無比、不言実行、焼酎絶好、走力超人という 将に“男の中の男一匹”の好男子であった。加えるに園芸愛好家ということで、畑においても四季を通して同じ大宰府の菜園を耕し、汗を共にしてきた仲であった。8~9月までは畑や山路散歩の道で時折出会っては、山河の状況を挨拶会話にしてきた仲であった。
友の踏みしめていた茅の枯葉には、新年の大寒波による残雪が消えず、彼の足跡を偲び名残りを惜しんでいる。友の安らかなご冥福を祈るばかりだ!
合掌!

   友逝きて  残雪寂びし  かや朽ち葉       1.4
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by tenpai8 | 2012-01-06 12:00 | 駄句雑句散歩道 | Comments(4)
晩秋から梅雨へ<2011.7.7>
秋も大分深くなってきた。庭木の枝には、沢山の蜘蛛が夏の虫を捕らえての生活をして、庭を守ってくれていたが、何時しかその姿も何処へやら。秋はもの総てが寂しい季節である。
あの頑張ってくれた蜘蛛の巣も北風に破壊され、巣の幾本かが軽く枯れ果てた紅葉の残骸をシッカリと繋いで凧揚げを楽しんでいる。

蜘蛛の糸 落ち葉を結び 凧あそび          11.7  

いよいよ散歩の山路にも寒風が荒んできた。賑わいを演出した雑木の紅葉も、スッカリと散り果てて寒風が抜けている。植樹の杉林も生気が去り、物音も聞こえず沈んでいる。
時折、忘れた頃に、何処からともなくジャッ、ジャッと鶯の地啼きが聞こえるが、直ぐに真っ白に霜を被った落葉に吸取られてゆく。 冬の定番風景であろうか。

うぐいすの 地啼き吸いとり 霜落葉         12.11

人身にはまだ暖かさは感じられないが、散歩の道端には小草が青味を一杯にして、日々生長している。中には地面を覆い尽して、青い小花を一杯に開花して、大界の花達に開花を催促している。
春来たと あおき小花の かしましく           3.26

桜が咲き、山桜も散り行き、花達の交代時期も段々と加速度になってゆく頃、山藤が過ぎると、巨大な葉っぱを360度に広げるホオの木が登場してくる。6-7枚の巨大な葉は軸枝を中心にして、放射状に広がり、軸枝の天辺には純白の巨大花影が不動の姿勢で鎮座する。

ほおの花 若葉を集め 居座りおり        4.28  

我早朝散歩、湖周回コースの醍醐味は「日の出前の早朝」が最高の時である。湖の東南西は高山が連なり、山上に太陽が昇るのは、7時過ぎであり、この時間帯には、湖と岸の新緑が作リあげる絶景が展開するからである。ダム堰堤から湖面を一望すれば、岸の若葉の下には三方角に山並みが映り、湖面そのものが一幅の画面となって、壮大な景観を展開する。
対岸には、古い山寺の三角屋根が、どっしりと緑の中に座しており、その影が湖水全面に投影して、さながら一幅の絵画を形成するのである。

 山寺を 映してしずか 若葉岸        5.14

 鐘の音の 渡る水面や 若葉風     5.17

久しく忘れていたが、子供の頃田植えの頃には、用水路の縁に所々蔓性イチゴが赤い実を着けていた。田植えの作業場所移動の折に見付けては、酸味の強いゴチゴチした大きな種のある実を食べたものである。山路散歩のダム堰堤に沢山の群生があり、存分に食べてみた。久し振りの懐かしい味である。

   苗代の  いちごや種の  太かりき    6.20

山路には今年もウバユリが長いトウを伸ばして、大きな蕾を更に膨らませてきた。まだ開花には可也の日数が掛かりそうである。早くもハナクモが一匹蕾に陣取って虫を狙っている。

 はな蜘蛛の  咲くを待ちわび  百合つぼみ   7.5
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by tenpai8 | 2011-07-02 10:30 | 駄句雑句散歩道 | Comments(0)