冬いちご 少し酸っぱし 種の音ハゼもみじ 湖にとけ 消えて散り11月になり山路の秋は一度に進んできた。つい最近まで、皮を被って大きな葉陰に隠れていた冬イチゴが、一斉に光沢ある真赤な輝きを放ってきた。
未だ、冬鳥は渡って来ていない今は、鳥にも突かれずに林道縁の藪に完熟している。
ダム湖の岸辺では、草はほぼ枯れて小さい木々が紅葉しかけている。
林道では
イヌビワの紅葉が一面に落葉して秋雨に濡れている。
更に奥の渓流岸辺では、ハゼの若木が紅葉して静かに落葉の時を待っている。
落葉を 待ちて若ハゼ 静かなり植林杉林の木漏れ日の土手では、
マムシグサの実が色付いてきた。
かくて林道の秋は深まり、紅葉が途絶える頃には、冬鳥が帰り来て谷川の音とともに、賑やかな音の世界へと移り行く。
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