十数年以前に入手した「白花報才ラン」が、今年は突然見事に開花した。
最初の頃は、大切に昆虫防御のネットの中で、栽培していたが、それでも毎年ハモグリバエの被害によって、無残な経過を辿った。
ここ2-3年は、全く熱も冷めてしまい、去年の花も全滅した後は、手入れもせずに、庭の隅で放置状態にしていた。
当然、雨水以外は潅水もせず、鉢替えもせず、晩白柚の葉陰で木漏れ日をもらいながらの一年であった。
9になっても関心もないので、通りすがりに何本かの花が伸び始めているのには、気が付いていたが、ドウセ今年も「ハモグリバエ」の温床だろう。 として、振り向かずいたが、10月近くになって見ると、なんと 24-5本以上の花が順調に伸びていた。
ハモグリバエの食害花は、全てを発見次第に根元から10本以上を切除して、鉢も縁側に移動した結果、多分全体では30本に近い花が開花まで育った。
将にキセキである。
元来、この東洋ランは、香りが馥郁として気高く、花も東洋ランの清々しさを十分に備えており、立派なランである。
花は薄緑で清々しく、花の舌は無点、つまりランの花は多くが舌に斑点があるものが殆どであるが、この花は「舌無点」であり、気品の高さも備えたものである。
今年、何故奇跡的にこのランが大量に開花できたのであろうか?
色々と少ない学と知恵とを絞ってみたが、行き着くところは自然の不思議であった。
今年の夏は「
異常高温が続いた」。
9月まで35度を上回る気温が連続した。この時期にランの花幼芽が育ち始める。
ここで「ハモグリバエ」が産卵して幼虫が育ち始める。
丁度この時「熱焼地獄の襲来」によって、産卵と幼虫の生存が阻害され、結果としてランの大量開花が出来たのではないか。
園芸は総合的自然科学である。精緻な条件分析と同時に、広範な条件を総合的に組み立てて、真理を探求する学問でもある。
ランの花から久しぶりに考えるに至ったヒトコトである。
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