人生いたるところ花あり。風呂の中に咲いた花!
今から20年も遠い昔の話である。
人生第一の職場を卒業して、系列の出資会社へ第二の職場を頂くこととなった。
博多の奥座敷<二日市温泉>からは若干離れる天拝山の山裾に、北海道の地名を各離れ座敷の個々に名付けたホテル「
石狩山荘」があったが、同僚・某氏と、どんな目的であったかは全く忘れたが、一風呂浴びようと此処を訪れた。
離れ別室は大自然のド真ん中・・・という、今時は考えられないような贅沢ホテルであった。
温泉の外には立派な花木の植栽があり、中でも今が最盛期を迎えた椿が見事な花を咲かせていた。二人で湯船の中から花評定を楽しんだ後、何れの花が「一番お気に入り」であるかについて、裸談義が始まった。
結果は色々の中から 二人揃って人気一番に当選したのが、この花であった。
風呂から上がって、お馴染みの中居さんに「人気一番当選した椿の挿し木用枝を数本」所望したところ、喜んで沢山の立派な小枝を採取してくれた。
以来20年にもなるだろうか。あの小枝も発根して、鉢植えでも根周は2.5cmにも成長して今年も沢山の立派な花で喜ばせてくれている。
あのホテルも時代の流れの中、今は消え去り、雑木の荒地と化してしまったが、この椿の花が開花する頃になると、往時の業務の苦楽と共に、この温泉の香りと湯煙が眼前に懐かしく漂ってくる。
あの豊富に噴出していた温泉は今どうなっているかなー、モッタイナイなー!
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